依存症を他人事にしない~嗜癖までのProcessと理解の重要性~

自覚できない過程嗜癖

考える男性

嗜癖には3種類ありますが、その中に「過程嗜癖」と呼ばれるものがあります。ギャンブルや仕事、買い物など、行為や行動に対して引き起こされるものです。執着心が強く、依存していることに対して本人が自覚に至らないことが多いことも特徴として挙げられるでしょう。窃盗や強盗、暴力やセックスなど、一過性ではなく慢性的に繰り返してしまうこれらの行為も過程嗜癖に該当します。また、借金を作ったり、家庭内暴力(DV)を行なうことも過程嗜癖に含まれています。ギャンブルは典型的な過程嗜癖とされており、賭け事に勝って大金を手に入れた快感や興奮を味わいたくて繰り返してしまうのです。実際にマイナスになっていても、続けていればまた勝つことができるという意識に捕らわれているのです。ギャンブルで勝つにはギャンブルすることが唯一の手段ですから、依存へのプロセスを辿りやすいと言えるのです。また、大量に衝動買いしてしまうことでしか満足感を得られない人や、仕事でしか充実感や生きがいを感じられないワーカーホリックの人も立派な過程嗜癖です。行為=快感・満足感・充実感などの図式が出来上がってしまうと、繰り返しその行為を繰り返してしまい、結果的には自分や周囲を巻き込み破滅してしまいます。

ギャンブルや買い物などは嘘をついたり借金をしてまで続けることも多く、繰り返すことで借金や嘘にさえ抵抗を感じなくなります。むしろ、快感や興奮を得るためには仕方のない行為だと正当化してしまうことも少なくありません。借金が返済できなくなると生活は破綻してしまい、家族を失ったり、最悪自殺にまで追い込まれてしまうのです。仕事に集中することは良いことではないか、と言う人も中にはいますが、ワーカーホリックを含む過程嗜癖の人は限度を超えているのです。生活を顧みることなく仕事にばかり向き合うため、生活破綻に至り離婚するというケースもあるのです。過程嗜癖の恐ろしい所は、行為にのみ執着しているということです。買い物をしてスッキリしても、買ったものに価値を見出すことなくすぐに別のものを買いたいという衝動に駆られます。ギャンブルに関しても同様で、勝って大金を手に入れてもそれをつぎ込んでより強い興奮を得ようとするのです。ワーカーホリックや暴力、セックスは身体の健康を阻害してしまう可能性が高いですが、基本的に身体に直接依存物質を取り入れるわけではないため、身体は比較的健康であることが大半です。だからこそ、依存であるという自覚や認識を持つことなく過ごしてしまうのです。